日本製鉄(上)とUSスチールのロゴ(共同)

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は7日、対米外国投資委員会(CFIUS)に対し、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を改めて審査するよう命じる大統領覚書に署名した。米国の国家安全保障上の脅威を軽減するための日鉄による提案について、十分かどうかを45日以内に報告することもCFIUSに求めた。

 手詰まり感があった日鉄の買収案件が、前進する可能性がある。審査の実施を決めた理由は説明していない。

 7日のニューヨーク株式市場で、USスチールの株価は一時、10%以上上昇した。日鉄による買収計画の進展に対する期待感から買われたとみられる。

 覚書はCFIUSが改めて行う審査について「この案件でさらなる措置を講じるのが適切かどうかの私の判断を助けるものとする」とした。

 日鉄の買収計画を巡っては、バイデン前政権が今年1月「安全保障と重要な供給網にリスクをもたらす」として、禁止命令を出した。一方で「米国の国家安全保障を守るために必要だと判断される場合にはさらなる命令を出す権限を留保する」としていた。