北川英治監督のインタビュー5回目は、自身のベストゲームや、全国の指導者に教えを請うたり、若手指導者勉強会を開くなど取り組んできた岐阜県高校野球のレベルアップについて聞いた。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
―高校野球の監督経験の中で、戦略、戦術が最もうまくいったと思う試合は。
北川 関商工での甲子園出場の翌年、準優勝だった2012年の夏の岐阜大会準々決勝で秋田千一郎君に勝った市岐阜商戦と、準決勝の大垣商業戦。この2試合はこうすれば、こうなるという本当にうまくいったベストゲーム。この1球だなと思った時にちゃんとカウント取れたりとか、打ち取れたりした。さらにボールがそれた、ボールになった、振りにいかなかったという自分の想定外のことが極めて少なかった。自分が先読みして、ここぞという場面でちゃんと事が動いていき、結果勝てた。
市岐阜商戦は満塁のピンチが2回あり、最後もそうだったが、こういう球を投げたら、こうなるぞというのがことごとく決まって、ピンチを凌(しの)げた。大事な場面では配球をバッテリーに告げたが、何回もタイムはかけられないので、「ここはカットボールでずらしたら、相手はひっかけるぞ」と思うと、バッテリーも理解しており、その通りの結果になることが多かった。攻撃ではスリーバントスクイズも決まり、ヒット3本のみで2―1で勝利したが、見事な試合だったと思う。

大垣商業戦も1イニングでヒット1本のみながら5盗塁して5点を取って逆転勝ちした。その年の夏は非常に暑かったうえに、組み合わせの日程上、午後からの試合ばかりだったため、自分自身も熱中症気味になりながら、準決勝では選手もバテてしまい試合途中で諦(あきら)めかけていたように見えたので、夏の大会で初めてベンチ裏で選手に叱咤(しった)激励した。...