廃線から2025年3月で20年となる旧名鉄揖斐線。昨年春、本巣市の線路跡で橋を支える橋脚が見つかりました。築堤だった場所で、橋脚は長年土の中に埋もれていました。すでに解体され、今では見ることはできません。発見したのは地元の鉄道愛好家。「見つけたときは『何だ、これは』と思った」と話します。

はじめに、揖斐線の電車が走っていたころの風景を振り返ります。
美濃北方駅を出た黒野駅行きの電車は、北方町の市街地を走ります。築堤の坂を登ると糸貫川に架かる橋へ。築堤はさらに続き、地元では本巣縦貫道と呼ばれる県道と樽見鉄道を続けて陸橋でまたぎ、坂を下って田園地帯を走り真桑駅に到着します。

かつて、糸貫川の橋の近くにショッピングセンターがありました。私も行ったことがありますが、今回の橋脚が見つかったあたりは築堤だったと記憶しています。さらに、動画投稿サイトで揖斐線の前面展望動画を探してみました。1986年撮影の動画でも、このあたりは築堤になっていました。
記事後半では、なぜ橋脚が築堤に埋まっていたかを探ります
