水田で実った稲穂

 農林水産省は4月1日から、日本に住む外国人が農地を取得する際の要件を厳しくする。農地取得を認めるかどうかを判断する際、在留期間の申告を義務化し、残り期間が短い場合は取得を認めない。コメ不足による価格高騰など食料を巡る環境が変化する中、耕作地の放棄や目的外利用を防ぎ、食料安全保障を強化。限られた農地で効率的に国内生産力の拡大を図る狙いがある。

 農地法施行規則を改正し、農業委員会に通知する。外国人の関係する法人などの農地所有の事例は増えており、与党からは目的外利用を懸念する声が出ている。農水省は実態調査を進めるとともに、取得要件の厳格化で問題を防ぎたい考えだ。

 農地の取得には原則、年150日以上農業に従事することが求められ、各地の農業委員会が申請を受け判断している。外国人について、農水省は23年9月、取得する個人や法人に国籍の報告を義務付けた。個人には在留資格の記載も求めたが、残り期間は確認してこなかった。

 これを短期間で資格がなくなり、更新の見込みもない場合は認めないように制度を変更する。