石破茂首相が「石破カラー」を見せるのは国会論戦の場だ。「違背」など難解な言葉を多用し、今後の取り組みに触れれば「配意する」。「なかりせば」「おこのう(行う)」など古風な言い回しも好んで使う。専門家は「丁寧に言葉を選んでいるが、インパクトのある表現も心がけるべきだ」と指摘する。
「党利党略があっていいとは、ゆめさら(少しも)思わない。議論をさらにたまわりたい」
衆参両院の予算委で、官僚作成の答弁書を読み上げる場面は多くない。主に自らの言葉で語る際に「なべて」「なかんずく」「知悉」「等閑視」「寡聞」「首肯」「毛頭ない」を使い、米国を「合衆国」と呼ぶ。
「百も万も承知だ」「掛け値なしに全力を尽くす」との強調表現も目立つ。野党議員に賛意を示す際は「まさしく、そうあらねばならない」と語る。
SNSでは、独特な言い回しを使った答弁は結論があいまいなどとして「石破構文」とやゆされる。
政治家の言葉を研究する米ユタ大の東照二教授は「国民が分かりやすく、実感を持てるような言葉をもっと使うべきだ」と語った。