記者会見するラピダスの小池淳義社長=1日午後、東京都中央区

 次世代半導体の国産化を目指すラピダスは1日、北海道千歳市の工場で最先端品の試作ラインを始動させたと発表した。製造装置の調整などを経て本格稼働に入る方針。政府が既に決めた財政支援は約1兆8千億円に上っており、「国策半導体」プロジェクトが動き出した。2027年に計画する量産の実現には安定的な生産技術の確立や自力での資金調達といった課題の克服が鍵を握る。

 ラピダスが製品化に取り組むのは世界でも商用例がない回路線幅が2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の半導体だ。従来品より少ないエネルギーで高度な情報処理が可能で、大量の電力を消費する人工知能(AI)向けなどに需要が見込まれている。

 技術開発で先行する半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は今年中に2ナノメートル相当の製品の量産開始を予定している。