岐阜県高校野球フェア第3日は26日、長良川球場で遊学館(石川)を迎えて行われ、中京(昨秋県2位)が0―5、岐阜城北(同4位)が7―12で敗れたが、それぞれ課題が明確になった。熱戦の詳細をリポートする。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

 ◆「調子が悪いなりのピッチング」 中京エース鈴木がエースの自覚で5回1失点

 「調子が上がらない」。今季最高の出来だったという前日の北大津戦に比べ、真っすぐが抜け気味で、スライダーがひっかかる。中京の新エース鈴木悠悟はブルペンから、自らの不調を感じ取っていた。だが「調子が悪いなら、悪いなりに投げ切る」という自らに課したテーマを成し遂げた。5回1失点、エースの責任をしっかりと果たした。

遊学館×中京=先発し、5回1失点と好投した中京のエース鈴木悠悟=長良川球場

 テーマのために鈴木が実践したのが「打たせて取るピッチング」。先頭打者に初球を中前にはじき返されながら、一飛の後、中飛で飛び出した一走をタッチアウトでダブルプレー。立ち上がりのピンチを切り抜けると二回からは走者を許さない。緩いカーブをうまく織り交ぜてカウントを整えながら、掲げた「打ち取る」投球を繰り広げた。

 走者を出しながら得点できずに0―0で三回を終えると、「悪い流れを変えたかったので、ギアを入れた」という四回は先頭の1番をスライダーで三振に仕留めると、2番はストレート、3番は再びスライダーで三者三振に切って取った。

 五回には3安打を浴び、1死満塁のピンチにバッテリーミスで先制点を献上したが、一ゴロ、中飛と最少失点で切り抜け、マウンドを降り、レフトの守備に回った。

 だが、この日の日替わりキャプテン中川蒼大が「これまでの練習試合でも鈴木が粘り強く投げても援護がなく、降板した後に失点を重ねる試合が多い」と言う現時点の課題が露呈した。

 ◆後続投手がミス絡みで失点 打線も相手左腕攻略できず

 六回表に2番手堀倭人が1失点後、鈴木との二本柱として期待の西岡海心が持ち味の切れのいいスライダーを武器に三振でピンチを切り抜け、...