太平洋戦争末期の激戦地、硫黄島で営まれた日米合同慰霊式。中谷防衛相、ヘグセス米国防長官と共に石破首相も参列した=29日午前、東京都小笠原村(代表撮影)
 太平洋戦争末期に激戦地となった硫黄島。手前は摺鉢山=2023年10月、東京都小笠原村(共同通信社機から)

 石破茂首相は29日、太平洋戦争末期に激戦地となった硫黄島(東京都小笠原村)を訪問した。戦没者の日米合同慰霊式に出席し「われわれが享受している平和や繁栄は戦没者の尊い犠牲と、戦後80年間の人々のたゆみない努力の上に築かれていることを忘れてはならない」と述べ、平和の尊さを訴えた。中谷元・防衛相、ヘグセス米国防長官も参列。首相と米国防長官が合同慰霊式に参加するのはいずれも初めて。

 首相は「かつて戦火を交えた日米は和解を果たして信頼し合える同盟国になった」として、日米同盟を新たな高みに引き上げると決意表明。「戦争の惨禍を決して繰り返すことがないよう、歴史に真摯に向き合いながら、悲痛な戦争体験を、世代を超えて語り継ぐ努力を続ける」とも語った。

 首相は午後に遺骨収集作業の現場などを視察。犠牲者の集団埋葬地を参拝する。

 合同慰霊式は、戦後50年に当たる1995年、日米両国の友好親善を目的に始まった。例年、日本側の遺族でつくる硫黄島協会や米側の関係者らが出席している。