政府が放出した備蓄米が流通し始めた。大手スーパーの商品棚には既に陳列され、大手卸売業者は給食向けに出荷していく。店頭では産地や品種を混ぜた「ブレンド米」の販売が中心となる見込みで、混乱回避を理由に「備蓄米」と明示されないケースも多いとみられる。
大手卸売業者によると、関東の大手スーパーに出荷を始めた。西日本にあるスーパーの店頭では、税込みで5キロ当たり3650円程度の値札が付いたという。
農林水産省によると、10〜16日に全国のスーパーで販売された平均価格は、前年同期の2倍超の4172円だった。江藤拓農相は28日の閣議後記者会見で、3千円台の相場は「だいぶ値ごろ感がある」との認識を示した。政府は追加で備蓄米を放出する計画だ。
初回に放出された14万トンは、大手集荷業者の全国農業協同組合連合会(JA全農)が9割以上を落札。グループ内の全農パールライスが精米し、一部店舗への出荷を始めた。
JA静岡経済連はJA全農から購入した800トンをブレンドし、学校給食向けに5月ごろ提供する。