日本原子力研究開発機構は28日、放射性物質が発する熱を利用し100年以上使用が可能な原子力電池の開発に着手したと発表した。実用化すれば国内初とみられ、月面探査や原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分での活用が期待される。2029年初めまでに熱出力1ワット程度のプロトタイプ(原型)機の製作を目指す。

 原子力電池は、原発の核燃料のような核分裂は起こさず、放射性物質が崩壊する際に出す熱を電気に変換する。米国などが1960年代から人工衛星や探査機に搭載してきたが、国内では熱源となるプルトニウム238の製造設備がないため、困難とされてきた。