ホワイトハウスで記者団に話すトランプ米大統領=26日(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】英科学誌ネイチャーは、米国の科学者を対象にした調査で、回答した約1600人の75%が欧州やカナダなどへの出国を検討しているとの結果を公表した。トランプ政権が政府支出削減策の一環として、研究費や科学者を含む連邦職員の削減を強引に進めていることが背景にある。若手ほど割合が高く、将来に不安を抱く実態が明らかになった。

 ネイチャーは3月、インターネットやSNSを通じ、政権による影響が研究現場に及んでいることを理由に米国を離れることを検討しているかどうかを尋ねた。全体の75・3%が理由になると回答。大学院生に限れば79・4%で、全体よりも割合が高かった。

 既に友人や家族、協力者がいる国への移住を検討している人も多く、ある回答者は「科学を支援する場所なら、どこでも」と記述したという。

 政権は連邦政府の予算や人員削減を進めている。LGBTQの権利擁護にも背を向けており、トランスジェンダー研究者の「米国で送りたかった生活は不可能になった」という声も紹介している。