約120年ぶりの大規模改修に向けた準備が進められている奈良市の世界遺産・興福寺の五重塔で、塔を覆う「素屋根」が28日に完成し、足場が組み立てられた内部の様子が報道陣に公開された。古都・奈良のシンボルはすっぽりと囲われ、改修が本格始動する。
奈良県文化財保存事務所によると約51メートルの塔に対し、素屋根の高さは約60メートル。塔本体の修理は、2031年3月の終了を目指していたが、一部で変形している箇所が見つかったため、34年3月に延びる見込みという。
塔の大修理は1901年に完了した明治時代以来。今回の修理は、経年劣化が進む屋根のふき替えが主な目的。