1994年10月、会談する河野洋平外相(左)と韓国の韓昇洲外相(右から2人目)=東京都港区の外務省飯倉公館

 【ソウル共同】韓国外務省は28日、1994年の外交文書を公開した。94年10月に東京で開かれた日韓外相会談の記録によると、河野洋平外相が2002年サッカー・ワールドカップ(W杯)招致を巡り、韓国が模索していた北朝鮮との南北共催案も「良いと思う」と述べた上で「もし難しければ、日韓共催も悪くない」と非公式に提案。韓昇洲外相は「興味がある」と応えていた。

 河野氏の提案は既に知られているが、韓国側の外交記録で詳細が確認された。韓国では当時、財政面から単独開催は困難との声もあり、静岡県立大の小針進教授(現代韓国・朝鮮社会論)は「提案は願ったりかなったりだったのではないか」と指摘する。

 日本は単独開催を目指していたが、韓国が遅れて名乗りを上げ、招致合戦を繰り広げていた。

 文書によると、河野氏は会談で「韓国は公式には表明していないが、南北共同開催を提案すると聞いている」と言及。南北案と比べながら、日韓案を提示した。

 日韓共催は95年、両国の民間有識者らによる「日韓フォーラム」が公式に提案した。