市川児童相談所(千葉県市川市)に在職中、人手不足や長時間勤務による苦痛で退職せざるを得なくなったとして、元職員飯島章太さん(31)が、県に慰謝料など計約1200万円の支払いを求めた訴訟の判決で、千葉地裁は26日、計約50万円の支払いを命じた。県は即日控訴した。
小林康彦裁判長は判決理由で、市川児相では人手不足により、職員が必要な休息を取れず、新任職員への研修も不足していたと指摘。「心身の健康を損なう恐れがあり、組織として具体的な改善措置を取ったとも認められない」と認定した。
長時間勤務について県側は「仮眠時間に勤務から離れていた」と主張したが、小林裁判長は「一時保護の要請など突発的な事態に対応することが指示されており、勤務時間に該当する」とした。
飯島さんは判決後に千葉市内で記者会見し「子どもたちのためにも、職員が健康に働ける労働環境を早急に整えてほしい」と訴えた。
判決によると、飯島さんは大学院修了後の2019年4月、児童指導員として市川児相で勤務を始め、同7月に休職した。