29日、ミャンマーの首都ネピドーで倒壊した建物の前を歩く人たち(AP=共同)

 【バンコク共同】ミャンマーでの大地震の被害は拡大が続き、死者数は千人を超えた。被害の深刻さに合わせるように、地震発生直後から軍事政権の「情報公開」と「国際協調」姿勢が目立つ。民主派弾圧と内戦で国際的に孤立した軍政は、中国やロシアへの接近を強めていた。大地震の危機を脱するため、さらなる国際協調に活路を見いだそうとしているようだ。

 「被害はさらに増える見込みだ。国際援助を歓迎する」

 地震当日の28日夜、軍事政権を率いるミンアウンフライン総司令官は国営テレビで演説し「144人が死亡した」と発表。被害の大きさを率直に認め支援を求めた。

 29日には「死者は694人」「死者1002人」と立て続けに発表し、重ねて被害の深刻さをアピールした。

 23年に西部ラカイン州を大型サイクロンが襲った際、詳細な被害状況をほとんど発表しなかった。

 それだけに今回の情報公開ぶりは際立つ。民主派や各地の少数民族との内戦が激しさを増すにつれ、友好国との外交重視に活路を見いだした軍政は、地震対策も同じ文脈で考えている節がある。