記者会見する茨城県つくば市の五十嵐立青市長(左)=26日午後、つくば市役所

 茨城県つくば市で2023年4月、市消防が高熱を出した当時3歳の男児の搬送を見送り、その後、男児が重度の知的障害となったケースで、市が設置した第三者委員会が検証結果を公表した。「一通りの観察はしていた」と、救急隊の対応に過失はなかったと結論付けた。

 第三者委は弁護士と医師で構成。当時、男児は40度以上の発熱で、けいれんを起こしたため家族が119番した。

 報告書によると、救急救命士は、脈拍数や体温、血圧を計測せず、目視や両親から聞き取った情報で不搬送を判断。男児に震えはあったものの、けいれんとは認定しなかった。重度の意識障害も認められなかったという。

 家族が男児を病院に連れて行き、入院した。家族は報告書公表を受け、取材に「話にならない。あり得ない結果だ」と憤りをあらわにした。

 記者会見したつくば市の五十嵐立青市長は「過失の認定には至らなかったが、当時の救急活動に問題がなかったとは思っていない。適切な救急活動が行われるよう管理者として努めていく」と話した。