高次脳機能障害者の支援を拡大する自民党法案骨子のポイント

 事故や病気の後遺症で記憶などに支障が出る「高次脳機能障害者」への支援を拡大するため、自民党が検討している新法案の骨子が26日、分かった。支援を国や自治体の責務と明記し、就労など社会復帰を後押しする。都道府県に「高次脳機能障害者支援センター」の設置を促し、地域での支援・相談体制を強化する。公明党や野党に呼びかけ、今国会への提出を目指す。

 厚生労働省によると、高次脳機能障害になると記憶力や注意力、言語能力が落ちる。外見では分かりづらく「話がかみ合わない」「怠け者」との印象や偏見を持たれるなど就労や日常生活に支障が出る。2022年12月時点の推計で22万7千人。

 骨子では基本理念として、支援は当事者本人の意思を尊重し、障害の状態や生活の実態に応じて行われなければならないと規定。

 国と自治体が行う基本的施策に(1)当事者の特性に応じた就労の機会確保や相談体制の整備(2)差別やいじめ、虐待を受けないよう権利を擁護する対策の推進(3)国民の理解を深めるため広報啓発活動の充実―などを挙げた。