長野県須坂市がふるさと納税の返礼品として提供したブドウ「シャインマスカット」の一部に産地偽装があった問題で、調達を担った和歌山県有田市の「日本グルメ市場」の山崎裕次社長は25日、仕入れ先と発注書を交わさず、指定の産地が十分伝わらなかったのが原因だったと明らかにした。須坂市が開いた説明会で述べた。
三木正夫須坂市長も出席した。2024年12月に同社から、長野県産でなく山形県産が混在しているとの報告を受けながら、25年2月まで寄付の募集を続けた理由について、農林水産省の同社側への立ち入り調査結果を待っていたと説明した。
市や農水省によると、日本グルメ市場が、実際は山形県産のものを長野県産と表示。混在した返礼品は19年6月〜24年9月で約1万件あり、寄付は約1億2千万円に上った。
山崎社長は会合後、混在を把握したのは21年ごろだったと記者団に強調。市へ報告しなかった理由を問われ、混在した量がわずかだと思い「見過ごした部分があった」と述べた。19年から混在したとする市の説明と食い違いが生じた。