〈PR〉

全線開通見据えた大野神戸IC周辺 工場や複合施設進出で勢い増すまちづくり
早期全線開通に向けて急ピッチで工事が進む東海環状自動車道。4月6日には山県インターチェンジ(IC)―本巣IC間が、今年夏ごろには本巣IC―大野神戸IC間が開通予定で、開通により愛知県の豊田東ジャンクション(JCT)から養老ICまでが一本につながります。全線開通への期待や今後のまちづくりについて、宇佐美晃三揖斐郡大野町長と藤井弘之安八郡神戸町長、大野神戸IC周辺への進出を決めたイビデン代表取締役社長の河島浩二氏、西濃建設代表取締役社長の宗宮郷氏、安藤鉄工代表取締役の安藤誠一氏、農地を工業用地に転用し整備を進める神戸町西座倉土地区画整理組合理事長の安田法爾氏が思いを語りました。(聞き手は国土交通省 中部地方整備局 岐阜国道事務所長 松實崇博)







岐阜国道事務所長 松實崇博
大野、神戸の両町でまちづくり計画進展
松實 東海環状自動車道の全線開通に向けたこれまでの取り組みをお話しいただけますか。まずは大野町サイドからお願いします。
宇佐美 大野神戸ICは「揖斐郡の玄関口」という位置付け。2019年12月の大野神戸ICの供用開始前の18年7月、ICからすぐの場所に道の駅「パレットピアおおの」を整備しました。土日、平日ともににぎわいが続き、休憩の場所として、多くの方にご利用いただいています。
企業などの誘致にも力を入れ、23年には大野町初の総合病院となる西濃厚生病院が開院。イビデンにも進出していただくことが決まり、今年夏の稼働予定だと伺っています。おかげさまで工業団地「テクノパーク大野」は全区画が埋まりました。
西濃厚生病院や進出企業などのニーズを受け、ホテルの誘致も目指していた中、西濃建設からプロポーザルで宿泊施設と商業施設を併設した複合施設の建設の提案があり、昨年11月に協定を結んだところです。今までのビジネスホテルとは違った形をご計画いただいており大いに期待しています。
宗宮 ありがとうございます。複合施設につきまして詳しく説明させていただきます。パレットピアおおのの北側に、宿泊施設と商業施設を併設した複合施設を建設する準備を進めていまして今年夏に着工、27年夏の開業を目指しています。
コンセプトは「地域の未来をはぐくむ ホテル×コミュニティモール」。揖斐郡の建設業者として地域のためになるものを造りたいとの思いから大野町のまちづくり整備のプロポーザル事業に応募して採択され、昨年11月に協定を締結しました。
チェーンのホテルだけができたところで地元の方にとって馴染みのあるものにはならないでしょう。そこで地元企業の視点でオリジナルのホテルを建設し、さらには複合施設とすることで、宿泊はしなくてもホテルのレストランだったり、商業施設だったり、気軽に来ていただくことができ、親しんでいただけると考えています。
ホテルは、近隣の進出企業などからのニーズに応える以外にも、ファミリーやグループでの利用も視野に入れ、ゆとりある客室を設ける予定です。この先、チャレンジも失敗もあるでしょうが、大野町とも連携しながら進めていき、IC周辺のまちづくりのうまくいった事例にしていきたいです。

松實 宿泊施設だけでなく複合施設にするということで広がりが生まれますね。神戸町はいかがでしょうか。
藤井 神戸町はこれまで、昭和40年代に岐阜県が策定した「地域工業開発基本計画」の第1号である工業団地約40㌶を誘致するなど、企業誘致を積極的に進めてきました。しかし近年は、企業に適した工業用地が町内で見つからないことなどから企業誘致に限りがあり、さらには町内を拠点としていた企業が事業拡大のため町外移転するなど、町にとって厳しい状況が生まれていました。
これらの課題に対応するため、2017年に策定した「都市計画マスタープラン」の重点的施策に「東海環状自動車道を生かした企業用地の整備」を掲げ、20年には大野神戸ICに隣接する約21㌶を工業系の用途地域に指定しました。その後、土地所有者の皆さまに土地区画整理組合を立ち上げていただき、企業誘致や既存事業者のニーズに応えるための基盤整備を進めていただいています。
23年には区画整理区域内の保留地に安藤鉄工の進出が決定し、24年10月には、区画整理区域内の民有地にサイゼリヤの進出が決定しました。残りの区画についても県の協力もいただきながら組合と一丸となって早期の誘致決定に向けて取り組んでいます。

安田 西座倉地域への企業進出が町の活性化につながることを期待しています。この地域は、揖斐川と根尾川の合流点に近く、かつては交通面で不便な場所でしたが、1990年以降、神戸大橋の完成や主要地方道岐阜関ケ原線の改良、さらには大野神戸ICの開通により、大変便利になりました。
この地域は土地の大半が農地であり、その所有者の多くが兼業農家であるという特徴があります。近隣市町や岐阜市、さらには名古屋市などで働きながら農地の維持に努めてこられましたが、近年は二重就労を嫌い、若者が都市部に流出していく傾向があり、高齢化や後継者不足が深刻な問題となっています。
そこで、2016年から当事業の検討を開始し、町と協力して地元の皆さまにご理解をお願いしてきた結果、地権者の8割を超える方から同意をいただき、21年8月に区画整理組合を設立し、昨年5月には起工式を行い、本格的に工事に着工しました。現在は事業地内の水路や区画道路の工事などを進めています。
松實 西座倉土地区画整理組合ができたことで、未来に向けて大きく動き出したのですね。早々に全区画が埋まることを願います。
企業にとって「最高の立地」事業拡大の一大拠点に
松實 高速道路ができたことによるストック効果のひとつとして、沿線地域への企業進出が挙げられます。大野神戸IC周辺に進出された理由をお話しいただけますか。
河島 大野町が進める「大野神戸インターチェンジ周辺まちづくり整備事業」の趣旨に賛同し、地域の活性化や持続可能なまちづくりの一環と、弊社の中長期的な成長を目指し、大野事業場の建設を決定しました。事業拡大に向け新たな工場用地を探していた中で、他拠点とのアクセス性に優れ効率的な人員配置が図れ、かつ理想的なロケーションに位置する用地だと考え、進出を決めました。
今年夏に稼働予定の大野事業場は、当社最大規模の敷地面積を誇ります。近年、注目が集まっている生成AIを中心に、高性能な半導体を支えるICパッケージ基板を製造する世界最先端の基幹工場として、製品を安定的に供給すると共に、雇用創出に貢献したいと考えています。
大野神戸ICの近くには道の駅があるほか、西濃建設が宿泊機能や商業機能を備えた複合施設を建設されます。安藤鉄工も産業用ロボット部品工場の建設を予定されており、23年に開設した西濃厚生病院を含め、産業インフラや生活基盤が整うことで、IC周辺を中心に、地域さらには産業が活性化することを期待しています。
安藤 弊社では産業用ロボットの精密減速機部品を製造していますが、世界的な電気自動車(EV)化や人手不足により、産業用ロボットの需要は高まっています。向こう10年も年率10%程度の伸び率を予測しています。そのため、工場拡大は急務で、3、4年前には工場が手狭になりました。
一方、まとまった工業用敷地の確保は容易ではなく、特に5万平方㍍の土地を探すのは非常に難しい状況が続いていました。私どもも半世紀にわたり、敷地の確保に苦労してきましたが、今回、神戸町内の大野神戸ICに近隣する西座倉土地区画整理事業地の話を聞き、真っ先に手を挙げさせていただきました。
新しい土地の選定においては、広さと距離が重要な要素ですが、最後の最後で最高の立地条件に巡り合えました。約5・1㌶を取得し、26年度に引き渡しを受け、第1期として、敷地北側3.1㌶に新工場を建設します。製造ラインの全工程の自動化を推し進め、生産能力を高めます。新工場の建設を通してIC周辺のまちづくりに寄与できることを光栄に感じています。
松實 皆さまもご存じの通り、イビデンは大垣市に、安藤鉄工は揖斐郡池田町に本社があります。大野神戸ICが東方向にも伸びる利点を存分に生かしていただければと思います。

全線開通後は国内、世界が近く
松實 全線開通に対する期待をお聞かせください。
宇佐美 この数年でまちは大きく変わりましたし、全線開通すればもっと大きな変化があるでしょう。県内区間が開通すれば、名神高速道路で関西方面から来た車は、これまでの愛知県の一宮JCTではなく、養老JCTから東海環状自動車道を通って東海北陸自動車道にアクセスできることになりショートカットが可能になります。また、三重県境との区間が開通すれば、四日市港へのアクセスが飛躍的に改善します。これは「海なし県が港を手に入れた」と言われているほどのインパクト。通行台数も大幅に増えるでしょう。スムーズな通行に向けても、ぜひ早期の4車線化をお願いします。
一方で懸念している点としては、大野神戸ICが通過されてしまうのではという点。これまでは終点でしたから必ず降りていただけましたが、今後は魅力アップが必須です。
4月から始まる町第7次総合計画のテーマは「つながるまち おおの」です。全線開通でさらに大きな変化を迎える今後10年間の総合計画が良い形になることを楽しみにしています。
藤井 全線開通により、名神高速道路、東海北陸自動車道、さらには中央自動車道や新東名高速道路などとつながることで、大野神戸ICの利便性が格段に向上します。このことは、企業を誘致する上で大変魅力的な条件になると考えています。産業や物流拠点へのアクセスの向上により、既存産業の活性化と新規企業の誘致が加速し、新たな雇用創出に伴う働く世代の移住定住が促進され、町の財政基盤の安定化が図られるものと期待しています。
また、災害発生時には救援、救助活動などの緊急車両をはじめ、食料や医療品、燃料などの救援物資を届ける車両の緊急輸送路としての機能もあり、非常時においても重要な役割を担う道路であると考えています。
これらのストック効果が最大限に発揮されるためにも、1日も早い全線開通をお願いします。
神戸町においてもこの4月から、今後10年間の基本指針である第6次総合計画が始まります。まちの将来像は「みんなの笑顔 未来へつなごう ともに支えあうまち ごうど」です。“未来へつなごう”のフレーズにもあるように、東海環状自動車道の全線開通が神戸町の持続可能なまちづくりにつながっていくものと大きな期待を寄せています。

河島 弊社は東海環状自動車道沿線に、複数の拠点・工場を構えています。そのため、全線開通によって、材料の調達や製品の出荷など、物流面の利便性がさらに向上することは間違いありません。東海3県がこの自動車道で結ばれることで、空港へのアクセスも含む全世界への物流ネットワークを拡大できると思います。これにより、当社の製品をよりタイムリーに世界中に供給できるようになり、利便性向上による人材獲得の面でも可能性が広がるはずです。
また弊社グループだけではなく、この東海地方全体の企業活動活性化による経済発展や、観光、文化、スポーツなどあらゆる分野での交流・発展にもつながると思います。
「東海環状自動車道全線開通」という大きなプロジェクトにご尽力されている皆さまに感謝するとともに、早期の全線開通に向けて心から応援しています。

宗宮 大野神戸ICができてからこの地域が一変したことからわかるように、高速道路の効果は非常に大きいと感じています。全通に向けて大野町も神戸町も動き、そして着実に企業や人が集まってきていて経済の発展につながっています。そしてイビデンや安藤鉄工、弊社が手掛ける複合施設もですが、稼働すれば地域の方々が働く場所も増えます。この地域で生まれた方々がこの地域でしっかりと働けるようになるのはすばらしいこと。人が動くようになれば、空き家なども活用しながらカフェなどの飲食店を始める方もきっと出てくるでしょう。5年後はこの一帯がもっと大きく変わっているでしょうから楽しみにしています。
弊社は社是に「過去の延長線上に未来はない、常に変化に対応できる企業になる」と掲げています。このすばらしい変化を好機と捉え、地元の建設業者としてそれを生かして展開していきたいです。
安藤 新工場は大野神戸ICに隣接しているため、交通アクセスは非常に良く、全線開通による効果を大いに期待しています。というのも、取引先の工場はこれまで、三重県津市が拠点でしたが、満杯な状態となり、静岡県浜松市に新工場を建設し、そちらへのルートが主流になりました。現在は、池田町にある工場から、名神高速道路を利用して向かっていますが、東海環状自動車道は愛知県豊田市を抜け、東名高速道路に接続するため、これまでのルートより、かなり早くなり、近くなります。
将来的な需要増を見据え、今秋には池田町の新工場が操業し、神戸町の新工場は27年度後半から28年度前半の操業開始を見込んでいます。2工場を合わせて、これまでの生産量を2倍に増やす計画を立てています。流通のスピードは会社の成長にも大きく寄与します。全線開通となれば、利便性は大幅に高まるため、大変期待しています。
安田 これまで主に西濃や岐阜方面に限られていた移動範囲が、日本中に広がります。また、中部国際空港や名古屋港、四日市港などを利用した取引も便利になります。
区画整理組合としては、特に流通や物流での変化により、就労や生活面の魅力が高まることで、IC一帯が発展することを期待しています。働く場、定住できる住まい、子育てしやすい環境などが築かれ、次世代の勤労世帯に向けた価値を高め、地域の明るい未来につながることを望んでいます。
大野神戸ICは、神戸町と大野町の境界に位置するため、両町の持つインフラ資源を相互活用した、まとまりをもった地域づくり、まちづくりが重要であると思います。私たちも雇用確保の面で将来計画の一翼を担うものと自負し、これまでも行政と協力して事業を進めてきましたが、周辺市町も巻き込みながら、新たな産業や経済の拠点として整備され、将来に向けて新たな人口集積を図られることを期待しています。
松實 ありがとうございました。地域の皆さまの期待に応えられるよう、1日も早い開通に全力を尽くします。
[PR]PRESENTED BY 国土交通省 中部地方整備局 岐阜国道事務所