青森県八戸市で昨年1月、当時5歳の宮本望愛ちゃんが母親と交際相手の男から冷水を浴びせられて死亡した虐待事件で、県は17日、第三者部会が児童相談所や市の対応を検証した報告書を公表した。2023年9月に2度目の虐待通告を受けた児相について、報告書は警察が望愛ちゃんと接触したことを理由に直接会わなかったとして「警察の情報のみで安全と判断せず、速やかに確認すべきだった」と指摘した。

 23年7月の1度目の虐待通告時も、児相は交際相手の父母から望愛ちゃんは元気だと聞いたが、本人には会えていない。2度とも伝聞だったことなどにより、虐待をつかめず「緊急的な一時保護を要するという判断には至らなかった」とした。

 一方で児相への相談件数は増えており「職員が緊急対応を常時求められる状況で、負担増大は否めない」として、県に体制の強化を求めた。

 事件では望愛ちゃんが低体温症による急性循環不全で死亡。母親と交際相手は保護責任者遺棄致死罪で起訴され、母親は懲役9年の実刑判決が確定している。