1970年に初飛行した航空自衛隊の国産輸送機「C1」が本年度末で全機引退する。初号機「001」を運用してきた岐阜県各務原市の岐阜基地で14日、最終とみられる飛行があり、詰めかけたファンが名残を惜しんだ。
「岐阜新聞デジタル クーポン」始めました!対象店舗はこちらC1は日本航空機製造と防衛庁技術研究本部(当時)が開発。川崎重工業岐阜工場などが製造を担い、計31機が生産された。ジェット化による高速性や短距離離着陸性能に優れたが、老朽化で国産の新型輸送機「C2」への転換が進んでいた。
岐阜基地の飛行開発実験団所属の初号機は各務原で初飛行し、部隊使用に向けた試験が行われたほか、1983年からは試作エンジンなどをテストする飛行試験機として運用。銀の塗色から「銀ちゃん」の愛称で親しまれた。
午後3時前に離陸したC1は、1時間ほど飛行した後で再び基地上空に姿を見せ、銀翼を振って別れを告げた。駐機するC2の前を過ぎてエプロンに着くと、待ち受けた消防車2台が放水のアーチで出迎えた。
後継のC2は2016年度に開発が完了し、航続距離が約4倍、搭載重量は約3倍に向上。美保基地(鳥取県)などで運用されている。
(堀尚人)