ローマ教皇庁からの手紙を届けた菊地功枢機卿(右)と写真に納まる袴田巌さん(左手前)と姉ひで子さん=2月、浜松市(袴田さん支援クラブ提供)

 ローマ教皇庁(バチカン)が、教皇フランシスコ(88)の意向を踏まえ、静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)に、「教皇はあなたに心から祝福を送ります」と記された手紙と教皇の紋章が入ったロザリオを届けたことが7日、袴田さんの姉ひで子さん(92)への取材で分かった。

 手紙は1月9日付で、教皇庁の大司教から送られた。冒頭に「教皇は無罪判決を聞いて喜び、教皇の名において手紙を書くよう指示をなさいました」とあり、「教皇はあなたが自由を満喫し、親しい人々との交わりを味わうことを願っている」とつづられている。

 ひで子さんによると、教皇に次ぐ高位聖職者の菊地功枢機卿が2月下旬、浜松市の袴田さんの自宅を訪れ手渡した。教皇が肺炎で入院していることや、袴田さんの近況について話し合ったという。

 ひで子さんは「気にかけてくれてうれしかった。教皇の体調が回復することを願っている」と話した。

 袴田さんは収容先の東京拘置所でカトリックの洗礼を受けた。