長期金利(10年国債)の推移

 長期金利が急ピッチで上昇している。日銀の利上げに歩調を合わせるようにペースを上げ、指標となる新発10年物国債の利回りは10日に1・575%と16年5カ月ぶりの高水準に達した。日銀がどこまで利上げを続けるか分からず、銀行などの投資家が買いにくいことも背景にある。金利上昇は住宅ローンなどに反映され、家計や企業の負担が増す可能性がある。

 直近の金利急騰のきっかけは、日銀が1月23、24日に開いた金融政策決定会合だった。政策金利に使う短期金利の誘導目標を0・25%程度から0・5%程度に引き上げることを決めたためだ。

 国債市場では短期金利の将来予測で長期金利が動く。市場は日銀が利上げに積極的と判断し、昨年末に1・1%付近で推移していた長期金利が上げ足を速めた。その後も日銀幹部が金融政策の正常化に向けて前向きな発言を繰り返し、利上げ観測の高まりで金利上昇に拍車がかかった。

 一方、国債の入札は低調だ。財務省が4日に実施した入札では応募額5兆2675億円に対し、落札額は1兆9828億円にとどまった。