能登半島地震で被害を受けた石川県七尾市の和倉温泉で、被災状況や復興への取り組みを解説するガイドツアーが7日、始まった。地震発生時に各旅館の従業員が連携して宿泊客ら約1200人を高台の避難所に誘導したことなどを説明した。
ツアーでは温泉街を歩き、損壊した建物や護岸、橋など地震の爪痕を見ながら、ガイドを務めるボランティアが負傷者を出すことなく旅行客を避難させたことや、護岸復旧など温泉街の復興に向けた取り組みを紹介した。
この日のツアーには長野、新潟両県からの団体客約50人が参加。長野市の塚野秀一郎さん(52)は「1年が経過しても復興がまだ道半ばだと分かった。説明してもらうことで、状況をしっかり把握できた」と話した。
ガイドは旅館関係者らから避難時の様子などを聞き取り、ツアーで話す内容を構成した。初日にガイドを務めた酒井可奈子さんは「和倉に来て、有事への備えを学んでもらえたらうれしい」と力を込めた。ツアー参加希望者は和倉温泉観光協会へ申し込みが必要。電話0767(62)1555。