3回戦で中野寛太(右)に敗れたウルフ・アロン=日本武道館

 全日本柔道で29日、個人戦は現役最後として臨んだウルフは3回戦で屈した。昨年覇者の中野に小内刈りで有効を奪われ、反撃できなかった。2019年に初優勝の大会に別れを告げ「率直に悔しい。最後の試合で楽しそうに臨む先輩を見てきたので、楽しくやれるのかと思っていた。自分にとって柔道は最後まで勝負事なんだなと思った」と話した。

 テレビ出演やユーチューブでの積極的な動画配信で柔道界内外のファンが多く、会場では子どもの声援を受けた。6月の全日本実業団体対抗大会を花道に引退する意向は変わらず「応援が本当に力になる。残りも一日一日を精いっぱいやっていく」と述べた。