島根県安来市の中海に落下した小型航空機=29日午後4時9分
 警察車両の赤色灯

 29日午後1時40分ごろ、島根県安来市の湖、中海付近に小型機が不時着した。県警安来署によると、操縦していた神戸市垂水区の男性(60)と、同乗していた大阪市中央区の男性(46)が搬送された。いずれもけがをしたとみられるが、命に別条はない。国土交通省は重大インシデントと認定し、運輸安全委員会が航空事故調査官2人を指名した。

 国交省によると、個人が運航する単発プロペラ機「ビーチクラフトA36」で、同日午後1時20分ごろ、大阪府の八尾空港に向けて出雲空港を離陸後、エンジンが止まり岸辺に不時着した。不時着前に「油圧が低下した」との報告があった。

 1人に骨折の可能性があるほか、機体の一部が損傷した。重大インシデントは航空法で「事故につながる恐れがある事態」と定められており、機体の損傷状況などによっては今後航空事故と認定される可能性がある。

 安来署によると、神戸の男性は症状が軽く、大阪市の男性は重傷の見込み。詳しい状況を調べている。

 農作業をしていた男性は「頭上を通ったがエンジン音がしなかった」と話した。