2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、開幕した第3回準備委員会=28日、米ニューヨークの国連本部(共同)

 【ニューヨーク共同】2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、最後となる第3回準備委員会が28日、米ニューヨークの国連本部で開幕した。5月9日まで。核軍縮の推進に向け、再検討会議のたたき台となる勧告案の採択を目指すが、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の流動化で国際社会は亀裂を深めており、合意形成は難航しそうだ。

 岩屋毅外相は演説で「対話と協調の精神を発揮し、来年の会議で一致団結しよう」と呼びかけ、NPT体制を機能させるため「わが国も最大限取り組む」と誓った。

 これに先立ち、冒頭で演説した国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は、合意形成には「柔軟さと妥協」が必要だと強調。「意見の違いを狭め、共通の基盤を築こう」と各国に訴えた。

 再検討会議は原則5年ごとの開催で、準備委はその論点整理が目的。前回の再検討会議はロシアが最終文書採択に反対し、1970年の条約発効以来初めて2回続けての決裂となった。今回の準備委は、26年の再検討会議で最終文書を採択できるかどうかの鍵を握る。