【ニューヨーク共同】岩屋毅外相は28日(日本時間同)、米ニューヨークで始まった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会で演説した。再検討会議が過去2回続けて最終文書を採択できず決裂したことを踏まえ「対話と協調の精神を発揮し、来年の会議で一致団結しよう」と呼びかけた。NPT体制を維持し、機能させるため「わが国も最大限取り組む」と誓った。
準備委に日本の外相が出席するのは2018年以来、3度目。政府は今年3月の核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加せず、被爆者から批判が出ていた。準備委への外相派遣でNPT体制下で核軍縮を進める姿勢を示す狙いがある。
岩屋氏は演説で、中国や北朝鮮の核戦力増強を念頭に「NPTは困難に直面している」と危機感を表明。「先人は過去の戦禍や犠牲を踏まえNPTを創造した。何としても維持、強化しなければならない」と訴えた。
日本の被爆者が核廃絶を訴えてきた歴史や、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞にも言及した。