旧西ドイツのNATO加盟70年を記念する式典に出席したルッテ事務総長(左から2人目)とドイツのシュタインマイヤー大統領(左端)=28日、ブリュッセル(ロイター=共同)

 【ブリュッセル共同】北大西洋条約機構(NATO)は28日、第2次大戦の敗戦国ドイツの東西分断で生まれた旧西ドイツがNATOに加盟してから来月6日で70年となるのを記念した式典をブリュッセルの本部で開いた。ドイツのシュタインマイヤー大統領は「欧州最大のウクライナ支援国であり続け、欧州防衛の柱となるよう努める」と決意を表明した。

 ウクライナ侵攻を続けるロシアによる欧州への脅威が増す中、NATOではドイツの役割拡大への期待が強まっている。NATOのルッテ事務総長は式典で「かつてNATOはドイツを抑えようとしたこともあるが、そんな時代は終わった。われわれはドイツを必要としている」と強調した。

 1955年5月6日の旧西ドイツ加盟は、戦勝国の米国と英国、フランスと敗戦国ドイツの和解を象徴する出来事。90年の東西ドイツ統一により旧東ドイツ地域が加わった。冷戦終結後は東欧諸国の加盟が相次ぎ、旧西ドイツ加盟で15カ国となった加盟国は32カ国にまで膨らんでいる。