東京電力は28日、12回目となる福島第1原発処理水の海洋放出を完了したと発表した。2025年度では初めてで、約7800トンを海に流した。原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常はなかった。
放出は今月10日に開始した。期間中、放出口近くで採取した海水から1リットル当たり最大27ベクレルのトリチウムを検出したが、東電が設けた放出停止の基準(同700ベクレル)や、世界保健機関(WHO)の飲料水基準(同1万ベクレル)を大きく下回った。
海洋放出は23年8月に始まり、これまでに計約9万4千トンを海に流した。25年度は7回に分けて計約5万4600トンの放出を計画している。