【パタン共同】約9千人が死亡した2015年4月のネパール大地震から25日で10年。現地では復興が進んだ一方で、地震の記憶は薄れつつある。災害への備えを学んでもらおうと、神戸市のNPO法人が阪神大震災の教訓を基に作った教材を活用して学校での防災教育の普及を進めている。
「ほとんどのネパール人は地震の経験がなかった。トラウマ(心的外傷)になった人も多い」。首都カトマンズに隣接する古都パタンでNPO法人「プラス・アーツ」職員の平田ケンドラさん(52)が振り返った。住宅103万棟超が損壊し「人々が生きているのが不思議なくらいだった」。
ネパール人の父親と日本人の母親を持つ。ネパールに貢献したいと、地震前から現地で教員向けの研修事業に携わっていた。地震発生後にカトマンズ市から学校で防災教育をしてほしいと依頼があり、15年8月から活動を開始。教員と協力し、子どもたちの防災への意識と知識を高める役割を担うことになった。
対象は小学生から高校生まで。