有人宇宙船「神舟20号」を搭載して打ち上げられる運搬ロケット「長征2号F遥20」=24日、中国・酒泉衛星発射センター(新華社=共同)

 【北京共同】中国は24日、有人宇宙船「神舟20号」を北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げた。中国国営メディアが報じた。3人の飛行士が搭乗。中国の宇宙ステーション「天宮」に乗り込み、約半年間活動する。宇宙探査「アルテミス計画」を進める米国に対抗し、習近平指導部は研究で実績を重ね、国際協力を推進して宇宙開発の主導権を狙う。

 神舟20号はロケット「長征2号F遥20」に搭載。飛行士は天宮で昨年10月から活動する神舟19号の飛行士3人と交代。魚や細菌を使って微小重力が生物に与える影響を調べ、物理や空間科学といった分野で実験を行う。船外活動も実施する。

 神舟号は1999〜2002年に無人の1〜4号が打ち上げられた。03年に飛行士1人が搭乗した5号が初の有人宇宙船打ち上げに成功。22年に15号が天宮と初めてドッキングした。

 中国政府は24日、無人探査機「嫦娥5号」が月面から持ち帰った試料を大阪大を含む日米など6カ国の研究機関に貸し出すことを認めたと明らかにした。