女性の低体重・低栄養症候群(FUS)に含まれる主な症状や状態

 日本肥満学会は17日、低体重や低栄養が原因で生じる骨密度の低下や月経周期異常など、さまざまな症状や体調不良を示す女性の健康状態を、新たな症候群として確立する必要があるとの提言を発表した。

 学会は、日本の20代女性は2割前後が低体重で、先進国の中でも特に割合が高く、その背景に交流サイト(SNS)などを通じて生み出されるダイエット志向があると指摘。「痩せ願望を生み出す社会構造へのアプローチが不可欠だ」としている。

 新たに確立を目指すのは「女性の低体重・低栄養症候群(FUS)」。低骨密度や月経周期異常の他、体格指数(BMI)が18・5未満、貧血、筋力低下、抑うつや不安などの精神・神経症状、代謝異常、徐脈・低血圧といった症状や状態が含まれる。まずは18歳以上で閉経前までの女性で定義したが、対象年齢は今後検討する。

 厚生労働省で記者会見した小川渉常務理事は「まずはしっかり食べて、運動して寝る。それでも調子が悪い場合は医療が必要になる」と話した。