18日、米ホワイトハウスの大統領執務室で、記者団に話すトランプ大統領(AP=共同)

 【ワシントン共同】第2次トランプ米政権の発足から20日で3カ月。トランプ大統領は米国が主導してきた自由貿易体制に背を向け、日本を含む各国に一方的な高関税措置を乱発している。「最大の競争相手」とする中国との摩擦は激化、方針転換を繰り返して世界を振り回した。内政では不法移民対策を強引に推し進め司法判断を軽視し続ける。批判を顧みず独善的姿勢を貫く構えだが、米国離れが進む危うさをはらむ。

 「多くの国が取引をしたがっている」。トランプ氏は17日、ホワイトハウスで記者団に勝ち誇るように語った。製造業の米国回帰を促し、貿易赤字を解消する―。1月の就任後、公約実現へ関税発動に前のめりに取り組んだ。同盟国も翻弄し「強い米国」を演出する。

 狙い撃ちにするのが中国だ。中国製品に計145%の追加関税を課すと、中国も報復して対米関税を125%に引き上げ「貿易戦争」に発展。米識者は中国製品への依存度が高い米国の方が不利だと指摘する。米中貿易が大幅に減れば世界経済の減速は避けられない。