【ニューヨーク共同】イラン核問題を巡り、米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は16日、イスラエルのネタニヤフ首相が立案した早期のイラン核施設への攻撃計画をトランプ米大統領が退け、イランとの間接、直接の交渉による解決を選択したと報じた。イスラエルは5月初旬の攻撃開始を主張し、米軍の参加を促していた。米政権当局者らの話としている。

 攻撃計画はワシントンで7日行われた米イスラエル首脳会談でも取り上げられ、トランプ氏が回避する方針をネタニヤフ氏に伝えた。米政権内で慎重論が強まったことが背景にあるという。

 イスラエルは昨年9〜10月にシリア、イランの軍事施設を攻撃しているが同紙によると、地下深くのイランの核施設に大打撃を加えるためには特殊貫通弾(バンカーバスター)を搭載した米爆撃機などの参加が不可欠と判断。イランを取り巻く軍事情勢がイスラエル側に有利に傾き、トランプ氏が政権に復帰した今が好機だとみている。

 ギャバード国家情報長官やヘグセス国防長官らが慎重論を唱え、トランプ氏が回避を決断したという。