岐阜県中津川市は16日、同市千旦林の国指定天然記念物「坂本のハナノキ自生地」のハナノキ1本が倒れて民家を直撃し、屋根などを損傷したと発表した。強風にあおられて折れたとみている。けが人はいなかった。
「岐阜新聞デジタル クーポン」始めました!対象店舗はこちら市によると、倒木が発生したのは15日午後1時ごろ。直径約60センチ、樹高約20メートル、樹齢は不明のハナノキが倒れ、東隣の平屋の民家の屋根を直撃した。市は、当時在宅中だった住民からの連絡を受け、16日に撤去作業を実施して破損した屋根にシートを張った。
倒れた木はあまり花を付けておらず、ほぼ根元付近から倒れていた。樹木医による目視の診断では、再生は難しいとみられている。民家敷地内の車庫や車にも一部破損があるといい、市は詳細な被害状況を確認した上で、損害補償を協議するとしている。
岐阜地方気象台によると、中津川では15日午後1時10分に最大瞬間風速10・2メートルを記録している。
ハナノキは山地の湿地などに育つ落葉樹で、日本固有種。環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。同自生地は1920年に国の天然記念物に指定され、2009年4月末の調査では、22本が自生していた。