息子の明浩は、2021年5月のデビュー戦の後、対局の他にも、さまざまな仕事をしていました。
6月4日は棋士総会へ参加。30日にはインターネットテレビ「ABEMA」で、当時の豊島将之竜王と藤井聡太王位のタイトル戦を初解説し、けん玉の技も披露しました。
7月4日は地元のNHK岐阜の取材があり、10日にはABEMAで対局の様子が初めて中継されました。県庁将棋部や各地の大会、関西将棋会館道場などでの指導対局、奨励会を目指す子たちが集まる研修会での指導など、普及の仕事も積極的に受けていました。
9月20日は、師匠の森信雄先生の大会「森信雄杯」で指導対局をしました。息子はこの時期、東海3県各地で指導対局をしていましたが、特に楽しみにしていたのは、息子のプロ入りをきっかけに、岐阜信用金庫と岐阜新聞社が創設した「岐王戦」です。
岐王戦の創設が決まった後、担当の皆さんがわが家に来られ、「岐王戦を、藤井聡太棋士(現七冠)のプロ入りから始まった名古屋城こども王位戦のように盛り上げたい」と熱く話されていたことは、今もよく覚えています。
幸い、岐王戦は、県内だけでなく、県外からも強豪が集まる大会となりました。岐王戦の中には、低学年と高学年に分かれた「こども大会」もあります。そちらは誰でも参加できるため、私も教室の生徒を引率していますが、皆、とても楽しく参加しています。
2024年10月6日、第4回岐王戦が行われました。開会前の主催者あいさつで、岐阜信用金庫の光崎修専務理事はこのように話されました。「私は7月に、高田五段の『昇級・昇段祝賀会』に出席しました。そのとき、高田五段は、『今回の順位戦で五段に昇段しましたが、よりいっそう頑張っていこうと思っています』と話されました。最近の若い人には、努力して上を目指そうという人が少ないですが、岐王戦に参加した皆さんには、高田五段のように上を目指して頑張ってほしいと思います」
私自身も、いつも、生徒たちに「高いレベルを目指して頑張ろう」と話しています。どんなことでも、上を目指して努力すれば、たとえ一番になれなかったとしても、必ずレベルアップできます。努力してレベルアップしたことは自信となり、他のことにもチャレンジできる子に育ちます。
特に将棋の場合、級の認定があるため、努力して級を上がることで、成長を手に取るように感じることができます。
私の教室では、けん玉、お手玉、将棋を三本柱として大会を開催しています。練習の過程や大会で、生徒に成功体験を重ねてもらい、自信につなげるようにしています。
(「文聞分」主宰・高田浩史)