【ソウル共同】韓国の尹錫悦前大統領の罷免に伴う次期大統領選で、尹氏の権限代行を務めてきた韓悳洙首相への待望論が保守系与党「国民の力」内で浮上している。党内予備選には出馬準備が間に合わないとみられ、与党は韓氏が無所属で出馬した場合の一本化を視野に世論の動向を注視。中道層の取り込みに強みがあると目されており、革新系最大野党「共に民主党」は警戒する。
世論調査会社「リアルメーター」が14日発表した調査結果によると、韓氏は大統領候補としての人気度で、共に民主党の李在明前代表(48・8%)、国民の力の金文洙前雇用労働相(10・9%)に次ぐ8・6%。李氏との一騎打ちを想定した場合は李氏54・2%、韓氏27・6%で、保守陣営では「最強」となった。
経済閣僚出身の韓氏は革新系の盧武鉉政権でも首相を務め、保守系の李明博政権では駐米大使だった。保革対立に疲れた中道層を取り込めるとの見方がある。8日に韓氏と電話会談したトランプ米大統領が英語力を褒めて「選挙に出るのか」と尋ねたと報じられ、注目度は一気に上がった。