雨の中、大屋根リングに集まった大勢の来場者=13日午前、大阪市此花区の夢洲

 入場ゲートが開くと、待ちわびた人たちが両手を上げて駆け出した。大阪・関西万博が開幕した13日、低く雲が垂れ込めた会場はかっぱ姿や傘を手に持つ人でにぎわった。「ついに万博が目の前に」。待望の幕開けに歓喜の声が上がる一方、午後には風雨が強まり、多くの人がずぶぬれに。スマートフォンがつながりにくくなるトラブルもあり、不満が漏れた。

 会場直結の大阪メトロ夢洲駅は早朝からごった返した。始発を利用した茨城県行方市の広内富士子さん(56)は、万博を味わい尽くそうと昨年末に退職し会期中は大阪市内のアパートを借りた。「楽しみで眠れなかった」と心を躍らせた。

 午前9時の開場後、大屋根リングなどに並んだ約1万人が佐渡裕さんの指揮でベートーベンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」を合唱。加わった大阪市の会社員は「特別な日になった」と笑顔を見せた。

 仕事仲間3人で大阪府市の「大阪ヘルスケアパビリオン」を訪れた東京都の会社員はiPS細胞で作った心筋細胞をシート状にした「心筋シート」を見学し「動いているのを見られて良かった」と興奮気味だった。