グラウンドに打ち付ける激しい雨音に、「バリッ」という雷鳴が何度も重なった。10日夕、落雷があったとみられる奈良市の帝塚山学園から救急搬送された複数の生徒は、水浸しの土のグラウンドで身動きせず横たわっていた。「助かってほしい。事前に予報は確認できなかったのか」。目撃者は声を震わせ、無事を願った。
現場近くの教育施設で勤務中だった40代女性は、大きな雷の音に驚いた。勤務先の2階の窓からグラウンドの方を見ると、生徒3人ほどがあおむけに倒れていた。
学校関係者とみられる周囲の大人が、救急車を呼んだり、生徒をグラウンド脇に移動させたりしていた。女性は生徒の無事を祈りつつ「雨や雷の時は部活動を控える判断ができなかったのか」とも話した。
当時、学校付近で車を運転していた50代の女性は「午後5時半ごろから雨が強くなり、車の中からも落雷が見えた」と説明。同校サッカー部は普段から雨の中でも活動していたとして「練習を中断できなかったのか。学生が心配だ」と話した。