日弁連は9日、東北大法科大学院に在籍していた元学生が、障害を理由に合理的配慮を求めたのに、適切に対応しなかったのは人権侵害の恐れがあるとして、東北大に対し、柔軟な対応や教職員への周知を求める要望を出したと発表した。3月28日付。
日弁連によると、元学生は2016年に注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断。19年に東北大法科大学院に入学した。注意散漫などの症状で授業や試験に困難があり留年が決まり、19年度末に退学願を提出した。
日弁連は、在学中に大学の特別支援センターに相談したのに、法科大学院の教務委員長だった教授との面談までに約1カ月要するなど「合理的配慮の検討に向けた対話を怠った」と指摘。また、教務委員長らの対応も不十分だったとし「障害の特性などを踏まえ、柔軟に対応することを要望する」とした。
22年に元学生から人権救済の申し立てがあり、調査していた。