水俣病の被害者団体と環境省の幹部は9日、熊本県水俣市で5月1日に営まれる予定の犠牲者慰霊式に合わせ、浅尾慶一郎環境相と被害者団体との懇談を、4月30日午後と5月1日の日中の2日間にわたって行う方向で調整することで合意したと明らかにした。
慰霊式は水俣病が1956年に公式確認された5月1日に合わせて毎年行われる。昨年5月1日の懇談では、被害者側の発言中に環境省職員がマイクを切った対応が批判を浴び、問題化した。
この日は、同省の前田光哉環境保健部長らが、被害者側の計8団体のうち6団体と協議した。一部は非公開だった。同省は残る2団体とも、同じ日程で懇談を行う方向で調整する予定。
前田部長は協議後に報道陣の取材に応じ、懇談の際に「話を途中で区切ることはしない」とした上で「(大臣に)きちんと患者や被害者の声に耳を傾ける姿勢で臨んでもらえるようサポートする」と話した。
水俣病被害者・支援者連絡会の山下善寛代表代行(84)は「一歩前進だが時間が足りず十分ではない」と評価した。