廃線から20年たった名鉄美濃町線。岐阜市内の国道156号に沿った区間は、所々で国道の拡幅に活用されています。岩田駅跡から日野橋駅跡にかけての、山を越える区間をたどり、国道沿いに残るホームや面影を探しました。〈岐阜新聞デジタル独自記事です〉

国道156号の岩田交差点は、美濃町線に沿った以前からの道と、延伸工事が今も続く岐阜東バイパスに接続する道が交わっています。
交通量が多い交差点で、線路跡は交差点に右左折車線を設けるための用地として活用されています。

関市方面行きの岩田バス停も、線路跡を活用しています。岩田駅跡は1本の線路にホームが一つの駅。ホームの縁石が残っていました。

岐阜・徹明町方面に一つ隣の岩田坂駅跡を目指します。名前が似た駅が続きますが、「坂」がつく通り、坂道の頂点にある駅でした。1本の線路に一つのホームという構造は岩田駅と同じです。
国道156号の狭い歩道を歩きます。周囲は、斜面に住宅が立ち並んでいます。国道156号を走る車は、岐阜東バイパスの延伸で以前より減っています。
息を切らせながら坂道の頂点へ。草の中には岩田坂駅のホームが残っています。新緑の季節になると、生い茂った草の中に埋もれるでしょう。


坂を下りていくと、日野橋駅跡が近づいてきました。また、国道156号の岐阜東バイパスも見えてきます。
岐阜東バイパスは、美濃町線の電車が走っていたころは、岐阜市の日野地区までの道でした。日野橋駅近くの交差点で以前からの道と接していたのですが、近接する二つの交差点に美濃町線の踏切もあるという複雑な構造でした。
交差点の標識に、その複雑さが表されています。よく見ると、国道と交わる「何か」が消されているのに気付きます。20年前は、ここには線路が描かれ、ドライバーに注意を促していました。


日野橋駅は、電車のすれ違いができる構造でした。日野橋で折り返す電車もあり、運転上の要所でした。...