奈良女子大工学部のワークショップで、考案したスマートフォンアプリをプレゼンする学生ら=3月、奈良市

 女子大で初めて工学部を設置した奈良女子大(奈良市)は、企業と連携したワークショップを重ねて理工系人材の育成を強化している。大学生や女子高校生らがIT企業と災害時の課題を解決するアプリを開発するなど初開催から2年を目前に、成果が出始めた。

 「災害時の課題は何でしょうか」。3月下旬に開いたワークショップで、ITコンサルティング企業アバナード(東京)の社員が学生に問いかけた。参加者は起震車で南海トラフ巨大地震を想定した揺れを体験した。立っていられないほどの揺れに悲鳴が上がる。3日間、厳しい状況を想像しながら課題を探った。

 終盤は全国から集まった女子高校生14人を含む参加者約20人が2〜4人のチームに分かれ、アバナード社員の手ほどきを受けながら簡易的なプログラミングに挑戦。スマートフォンアプリの開発に取り組んだ。

 旅行先で安全な避難ルートを案内するアプリを作った奈良女子大の学生(21)は「奈良を訪れる外国人観光客が災害時に混乱しない方法を考え、発想した」と話した。