陸上自衛隊が管理する初の船舶部隊「海上輸送群」の編成完結式=6日午前、広島県呉市の海自呉基地

 陸上自衛隊が管理する初の船舶部隊として3月24日に発足した「海上輸送群」の編成完結式が6日、広島県呉市の海上自衛隊呉基地で開かれた。台湾有事などが懸念される南西諸島への輸送任務を担う。出席した中谷元・防衛相は「より迅速かつ確実な(部隊の)展開が可能となる」と意義を強調した。

 陸自によると、海上輸送群は約100人態勢で発足。既に建造が終わった小型級船舶「にほんばれ」と中型級船舶「ようこう」の艦長はそれぞれ海自隊員が務め、その他の乗員の大半は陸自隊員が占める。乗員の養成には海自が協力している。

 中谷氏は式典で「陸自と海自が力を合わせる部隊の新編は歴史的に重要な一歩。統合運用の象徴となる」と訓示した。初代群司令の馬場公世1等陸佐は「南西諸島は備蓄に限界があり、輸送力が重要だ」と述べた。

 海上輸送群は防衛相直轄の部隊で、2028年3月までに中型2隻、小型4隻、機動舟艇4隻の計10隻体制となる見通し。対艦戦闘などの役割は基本的に想定されていない。