海外勤務中に過労死や過労自殺した労働者の遺族や弁護士らが、国や企業に対策や労災補償の促進を求める団体「海外労働連絡会」を結成した。国内企業の社員が海外駐在する場合、労働基準法などは原則適用されず、長時間労働となったり極度の心理的負荷がかかったりして亡くなるケースが後を絶たない。連絡会は遺族からの相談を受けて事例を集め対策をまとめる。
連絡会の設立は3月4日。大阪市で初めての会合を開き、4件の事例報告があった。
東京都の中江奈津子さんの夫は2018年、ラオスでダム工事に従事中、長時間労働の末にくも膜下出血で亡くなった。当時49歳。中江さんは背景について、法規制が不十分なことや企業の労働時間管理のずさんさ、現地医療体制の不備があると指摘した。死因特定や過労死を証明するための証拠収集の難しさも挙げた。
タイに出張中の21年に亡くなった上田優貴さん=当時(27)=の母で富山県に住む直美さん(53)は「遺族だけでなく、国や企業、現役で働く人たちとグローバル化する社会の働き方を考えたい」と話した。