販売を再開するアサヒ飲料の「バヤリース オレンジ」=3月、東京都墨田区

 世界的な不作に伴う果汁価格の高騰を受け、国内販売の休止が相次いだオレンジ飲料に、復活の兆しが出てきた。アサヒ飲料は「バヤリース オレンジ」のペットボトル入り1・5リットルの果汁割合を下げ、1年4カ月ぶりに販売を再開予定。森永乳業は、他の果実をブレンドする形でオレンジ飲料の発売にこぎ着けるなど各社が腐心する。ただ、安定供給にはなおほど遠く、販売再開が見通せない企業も依然目立つ。

 「バヤリース オレンジ」は8日の再開に合わせ、オレンジ果汁の割合を20%から10%に引き下げた。希望小売価格は410円から626円へと5割以上の値上げ。ブラジル産やスペイン産の果汁を使っていたが、調達先も増やした。沖縄県を除く全国で販売再開する。

 森永乳業は、リンゴやレモンを加えた「サンキスト 100%オレンジブレンド」を3月に発売。オレンジのみの商品の販売再開はめどが立たないままだが、消費者からオレンジジュースへの強い要望があったという。広報担当者は「限りなくオレンジジュースに近い爽やかな甘さが特徴」と強調する。