水俣病患者や被害者団体でつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」は31日、水俣病は感染症だとする誤った内容をカレンダーに記載して配布したと熊本県宇城市が発表したのを受けて声明を発表し、国による「水俣病を矮小化する政策」が原因で「いまだに水俣病への無理解と差別・偏見が続いている」と訴えた。
声明は、浅尾慶一郎環境相と熊本県の木村敬知事に宛てて同日付で送付された。約70年前に「水俣病は感染する」という流言が広まったことで生まれた差別や偏見は、今も残っていると指摘。背景には、住民に対する国の健康調査が実施されていないことなどがあるとし、水俣病の全貌解明などを環境省と熊本県に要請した。
水俣病は実際には感染症ではなく、工場排水中のメチル水銀に汚染された魚や貝などを人が長期にわたって食べることによって起こったメチル水銀中毒。