狂言師の野村萬斎さん(58)が30日、岐阜県美濃加茂市で新作狂言「法螺侍」を披露した。同市主催で、優れた演劇人に贈られる「坪内逍遥大賞」を昨年5月に受賞した記念公演。公演に先立つ式典で、野村さんは「歴史ある演劇が先祖から継承されて今がある。先人に感謝したい」と喜びを語った。
野村さんは、古典の技法をシェークスピア劇に生かす演出などが高く評価され、昨年5月に受賞が決まった。同じく狂言師の父万作さん(93)も1998年に選ばれており、親子2代の受賞となった。
美濃加茂市は、シェークスピア全作品の翻訳など演劇分野でも活躍した坪内の功績をたたえ、94年に坪内逍遥大賞を創設した。