1970年4月、解放され「よど号」から降りる乗客=韓国・金浦空港(共同)

 1970年に日航機「よど号」ハイジャック事件を起こし、北朝鮮で暮らすメンバーらから昨年11月、日本の支援団体に「日本との通信が遮断される」などと書かれたメールが届いていたことが29日、団体関係者への取材で分かった。北朝鮮当局の措置とみられる。メール受信後3カ月以上にわたり、団体はメンバーと直接連絡が取れない状態になっている。

 事件は31日で発生から55年。日本の警察当局は、ハイジャック事件のほか、欧州での日本人拉致事件に関与したとして、メンバーと妻2人の計3人を国際手配している。

 関係者によると、メールは昨年11月29日付。「朝鮮の事情で、12月1日から日本との通信が遮断される。これまでのように交信、交流ができない」「通信がいつ再開されるかは分かりません」と記されていた。

 メンバーらが情報を発信しているウェブサイトの投稿は昨年11月を最後に途絶えている。関連団体の機関紙にも手記を寄せているが、今年1月号は「平壌からの原稿送付が昨年12月1日からできなくなった。休載する」と伝えた。